2025年4月8日 — Soniya Monga、グローバル代理店セールス担当 VP
競争の激しい今日、マーケターが常に探し求めているのは、成果を向上させるための方法です。新しい調査によれば、「ポジティブな環境」が広告効果に大きな影響を与えるということがわかりました。
ブランドセーフティーツールは多くのマーケターにとって不可欠である一方、有害で違法なコンテンツが広告に隣接する、または広告のすぐ周りに表示される場合の対応のみに役立つツールです。しかし実際には、貴社の広告を見る前や見た後にも、ユーザーはたくさんのコンテンツを閲覧します。そのため、貴社がブランドセーフティーツールを有効にしていても、ユーザーはネガティブなコンテンツに遭遇する可能性があります。つまり、ツールはブランドをネガティブなコンテンツから守る役割を果たすものの、ユーザーまでは守れないということです。
過去の研究で、Pinterest のようなインスピレーションにあふれたポジティブなプラットフォームは、ユーザーの心の健康に影響を与えることがわかっています。しかし今回、メディアインテリジェンス企業の MAGNA が行った新しい調査の結果によれば、ポジティブだと感じられる環境に表示された広告も、優れた成果を上げていることが示されています1。
つまり、ポジティブな環境は、ユーザーの感情だけでなく、ブランドの収益にも影響を与えるのです。そのため、広告出稿にポジティブなプラットフォームを選択することが、非常に重要になっています。
Pinterest は先ごろ、広告が表示される環境において、ポジティビティ等の要素がブランドの KPI にどのような影響を与えるのかを理解するために、MAGNA に調査を委託しました。調査にあたり、MAGNA はさまざまなソーシャルメディアプラットフォームに関する実際の広告データを収集しました。その過程で、対象のプラットフォームがどのくらいポジティブに感じられるかなど、5 つの項目に関して、ユーザーにプラットフォームを評価してもらいました。
MAGNA はさらに、研究室でのテストも実施しました。テストでは生体センサーと視線追跡技術を利用して被験者がさまざまなコンテンツを見た時の感情的反応を評価しました。また、ポジティブだと感じられる広告環境の影響を精査し(英語のみ)、ポジティブな環境がブランドの成果にどう貢献するかを定量的に測るために、マーケティングミックスモデリング(MMM)シミュレーションも実施しました。
調査から明らかなのは、ユーザーがポジティブな環境で広告を見ると、エンゲージメントの増加や売上の向上など、優れた成果を得られるということです。以下に、調査で判明した 4 つの主なポイントを紹介します。
ポジティブなプラットフォームは、エンゲージメントを高める
調査により、人々はポジティブだと感じられるプラットフォームで見たコンテンツに対して、感情的なつながりを持つ割合が 20% 高くなることがわかりました2。また、こうしたコンテンツは人の注意を引きつける力があり、広告を見る時間が平均で 15% 長くなっています3。
ポジティブなプラットフォームの広告は、好印象を与える
まったく同じ広告を複数の異なるプラットフォームで表示した場合、ポジティブだと感じる環境で見た広告に対しては、人々が「信頼できる」と感じる割合と「興味を持つ」割合がそれぞれ 2 倍、「好感を抱く」割合が 1.5 倍高くなりました4。この結果より、顧客体験は非常に重要であり、どのような体験を提供するかによって広告の成果に差が生まれることがわかります。
ポジティブなプラットフォームの広告は、ユーザーの行動を促す
ポジティブだと感じられるプラットフォームは、ブランドへの好感を抱かせるだけでなく、ユーザーの行動を引き出します。ポジティブだと感じられないプラットフォームと比較した場合、ポジティブなプラットフォームでは購入意向を促進する効果が最大 94% 高くなっています5。
メディアバイイングで、ビューアビリティとポジティビティを考慮すると、より良い成果につながる
MMM シミュレーションでは、同じクリエイティブを使い同額の予算をかけた広告について、ビューアビリティとポジティビティを考慮して媒体を選定したところ、売上が最大で 24% 多くなりました6。
広告を見る時間が長い3
好感を抱く4
購入意向を促進5
信頼感が高まる4
この調査結果で明らかになったのは、ポジティブな環境を考慮したメディア戦略の重要性です。ポジティブな環境は、ブランドセーフティーツールだけでは実現できない高いパフォーマンスと効果をもたらします。以下を参考にして、インサイトに基づいて行動しましょう。
ブランドセーフティーツールキットを活用する
すべての広告インプレッションが同じ価値を持つ訳ではありません。ビューアビリティとブランドセーフティーは単なるガードレール指標以上の意味を持つため、Integral Ad Science や DoubleVerify などの検証ツールを活用しましょう。これらの指標を定期的にチェックして、広告環境の質が保たれているかを確認してください。
ブランドリフト調査を利用して、ブランドへの印象を把握する
ブランドセーフティーツールは重要ですが、広告がどのようなコンテンツの近くに表示されるのかだけではなく、広告を見たオーディエンスの感情も考慮する必要があります。ブランドリフト調査では、貴社が広告を出稿しているプラットフォームに対して、オーディエンスがポジティブな印象を抱いているかを尋ねる質問を入れましょう。こうした質問への回答と、ターゲティング、広告素材、オーディエンスなどに関する他のデータを考え合わせることで、貴社の広告が対象のプラットフォームでオーディエンスの共感を得ているかを突き止められます。分析データを今後のキャンペーンや最適化に活かし、ローワーファネルの成果の向上につなげましょう。
ポジティブなプラットフォームの影響を計測する方法を見つける
計測システム(英語のみ)を構築する際は、ポジティビティとビューアビリティを考慮して計測できるように、MMM ベンダーと連携することをおすすめします。モデルの入力・出力データを使ってさまざまな仮定を立て、MMM ベンダーと連携しながら、どの指標を検証するべきかを見極めましょう。
このプロセスでは、細かい調整が必要になります。まず、ビューアビリティとポジティビティをモデルに組み込む方法を検討しましょう。これにより、MMM の精度を高め、結果をより良く理解できるようになります。短期的にポジティビティを測る代理指標を利用して、結果の背後にあるコンテキストを読み取りましょう。計測システムの精度を上げながら、ポジティビティとビューアビリティを組み込んだモデルの構築に向けて取り組み、規模の拡大とモデルの統合を進めるために、プラットフォームとも連携しましょう。
最後に、ポジティブな環境作りを優先するプラットフォームに広告を掲載することを忘れないようにしましょう。Pinterest はポジティブなプラットフォームの構築に全力を上げており、これを指針としてプロダクトへの投資と社会影響に関する支出を行い、結果を検証するために独自の指標を定めています。Pinterest は世界的ウェルビーイング指標により、自己肯定感と目的意識を高めるソーシャルメディアプラットフォームとして第 1 位に選ばれています7。
MAGNA の調査結果をチームで共有して、パフォーマンスを高めるために Pinterest を活用する方法を検討しましょう。