2023年6月2日 — Preeti Farooque
サードパーティクッキーが廃止へと向かう今こそ、ターゲティングと計測の戦略を見直す時。新たな手法の導入は敬遠されがちですが、労力が増えたりキャンペーン効果が落ち込むことはありません。Pinterest では、ファーストパーティプラットフォームデータと自社の顧客リストを併用することで、同等か、それ以上の成果を上げることができます1。このブログでは、サードパーティクッキーに頼らずに成功をつかむためのベストプラクティスをご紹介します。
サードパーティクッキーが利用できなくなると、リターゲティングやラストクリックアトリビューションといった一般的な戦略が難しくなりますが、効果的なキャンペーンに利用できるデータはクッキーだけではありません。Pinterest なら、クッキー以外のさまざまな方法を通じて、顧客のプライバシーに配慮し、変化し続ける法律を遵守しながら、理想のオーディエンスにリーチすることができます。
では、どのような方法があるのでしょうか。その一つが、ファーストパーティのプラットフォームデータです。ファーストパーティデータはオーディエンスの行動に関する有益な分析データを提供します。また、今後のプライバシー関連の変化による影響を受けることがありません。
このブログでは、サードパーティクッキーへの依存を減らし、新時代を迎える広告業界で勝ち抜くための有効な対策をご紹介します。
急変を続けるプライバシーをめぐる動向。しかし、多くのブランドが今もなお、アプローチの変更を躊躇しています。最近行われたアクセンチュアの調査によれば、調査に参加した広告主の 45% がプライバシーに関するニーズの変化によるネガティブな影響を受けているとした一方、 50% が直近の 5 年間同じ戦略を続けていると回答しています2。さらに、参加者の大半が、今後 1 年間で実際に変更を行う計画はないと回答しています2。
では、なぜ変更に消極的なのでしょうか。まずは、広告主の多くがクッキーレスの影響をよく理解していないことが挙げられるでしょう。アクセンチュアによる別の調査では、プライバシー関連の変化が及ぼす影響をよく理解していると回答したのは、参加者のわずかに 8% にとどまりました3。そして、73% が詳しく理解できたら、または効果が実証されていれば、新しい戦略を導入するだろうと回答しています2。
先手を打つために、今すぐ実践できる実証済みの戦略を以下にご紹介します。
独自のファーストパーティデータを持つ Pinterest。その理由は、ユーザーがプラットフォームをどう使うかに関係しています。ユーザーは計画を立てて、行動を起こすために Pinterest を利用します。興味を引かれたピンを見てボードに保存し、詳しく知りたいと思ったアイデアをクリックします。Pinterest ユーザーは、こうしたアクションを通じてアイデアの選別を行います。そのため、どのプラットフォームよりも、ユーザーの意思を強く反映したデータを取得できます。
それぞれのアクションが蓄積され、強固なオーディエンスインサイトが構築されることで、他のプラットフォームの標準的なインタレストターゲティングを超える威力を発揮するのです。こうしたインサイトは、 Pinterest のおすすめのメカニズムに利用されると同時に、広告のターゲティングツールに活用されます。これらの強力なファーストパーティデータにより、Pinterest で広告を出稿するブランドは、サードパーティクッキーに頼らずに成果を上げることができます。
プライバシーを巡る新たな展開に向けて準備するには、2 段階の施策が求められます。まず、ターゲティング戦略を変更すること、そして、それに適した計測プランを導入することです。その両方を正しく設定することで、入手できなくなったデータを補えるようになり、今後の問題からブランドを守る保護策となります。新しい戦略同士がうまく連動していないと、ブランドは手探りで最適化を図ることになりかねません。
Pinterest のファーストパーティプラットフォームデータを使用したターゲティングと自社のオーディエンスリストの併用は、成功への第一歩となります。アクセンチュアの最近の調査は、自社 CRM と Pinterest のアクトアライクオーディエンスを併用し、インタレストターゲティングとキーワードターゲティングの両方を実行することで、リターゲティングだけを実行している広告主に比べて、同等か、それ以上の成果を上げられることを示しています1。
さらに、アトリビューションウィンドウを長くした場合では、CRM と Pinterest のアクトアライクオーディエンスに加えて、細かいターゲティングを使用することで、キャンペーンにリターゲティングのみを使用した広告主に比べて、広告費用対効果が 45% 向上する結果となりました1。
インタレストとキーワードターゲティングは、ユーザーの興味や関心そのものを利用するため、Pinterest で効果の上がる方法です。ブランドは、ユーザーが検索している内容や興味を持っている対象を元にリーチできるので、自社コンテンツや広告に関心を持つ可能性が高いユーザーに出会えます。
サードパーティクッキーに依存しないソリューションで、コンバージョン計測の精度を高めましょう。エンハンスドマッチは Pinterest タグのオプション機能で、ハッシュ化された情報を用いて、コンバージョンデータとコンバージョンを行ったユーザーの紐付けを行います。これにより、異なるデバイスとイベントを横断したユーザージャーニーを理解することができます。コンバージョン API を使うと、ウェブ、アプリ内、オフラインのコンバージョンをリアルタイムで、Pinterest に直接送信できます。この機能は、サードパーティクッキーではなく、サーバー間の API エンドポイントを利用しています。
ユーザーが Pinterest にアクセスするのは購入プロセスの早い段階なので、実際にコンバージョンが起きるまでに時間がかかる可能性を考慮に入れる必要があります。したがって、アトリビューションウィンドウを広げることで、より正確な計測を行えるようになります。たとえば、ユーザーがアイデアに出会ってから購入を決める一連のプロセスの最後に起きるコンバージョンを捉えるには、7/7/7 アトリビューションウィンドウを使用すると良いでしょう。
サードパーティクッキーを使用せずに顧客の純増分を計測するツールの活用を検討しましょう。クッキーに基づく従来のソリューションはクリックに大きく依存している一方、純増分を計るソリューションは、インプレッションなどすべての広告アクションを考慮に入れるため、真の広告効果を把握するのに役立ちます。コンバージョンの大部分が「ビュー (閲覧)」から発生する Pinterest のようなプラットフォームでは、インプレッションのデータを組み込むことが非常に有効です。ファーストパーティのコンバージョンリフト、サードパーティのセールスリフト、マッチドマーケットなどが現在、一般的に利用できるソリューションです。
次に検討するのは、ユーザーレベルのデータではなく集計されたデータに基づくマーケティングミックスモデル(MMM)などのアプローチです。従来の MMM モデルよりもアップデート頻度が高く、マルチタッチアトリビューション(MTA)を統合した新しい強化モデルを導入しましょう。これらのアジャイルモデルは、キャンペーンパフォーマンスに関する詳細な分析データを取得し続けながら、プライバシー関連の変化に合わせた最適化をサポートします。新しい戦略を試す場合は、ソリューション全体でテストを繰り返し、自社のすべてのチャネルとメディアタイプで適切な分析データを得られるかを検証しましょう。